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21世紀、6月8日は「大量殺人の日」になった! 〜 秋葉原大量殺人テロから5・15事件(1932年)を想起する
一昨日(2008年6月8日)、 東京・秋葉原で通り魔殺人事件によって 7名が死亡するという衝撃的なニュースが 日本列島を駆け巡り、世界各国にも伝えられた。
この6月8日というのは、今から7年前の 2001年6月8日に、大阪教育大学付属池田小学校にて、 小学生8名が殺害されるという事件があった日だ。
21世紀になって、6月8日は「大量殺人の日」というふうに なってしまった。
この7名を殺害した実行者は 25歳の派遣社員の男、加藤智大容疑者 この男は青森県出身で県内有数の進学校を卒業した後、 短大(専門学校?)を卒業、それから派遣社員を していたという。
加藤容疑者は派遣先の自動車会社で7ヶ月間、 真面目に働いていたが、今月5日の始業直前の午前6時ごろ 彼が職場着のつなぎが無くなっていると勘違いして 激昂した。 この派遣先の自動車会社ではリストラの計画があった。 その計画に、派遣社員を6月末で200人から50人に 減らす計画があったのだが、 彼が所属する派遣会社の派遣社員は契約解除されることは なく、自動車会社によると、彼にも残留が伝えられていた。 しかし、 彼の職場着がない(と思ってしまった)ことが、 彼は解雇されたと思い込み、携帯電話の掲示板に 次々と書き込みをしていく、
5日 06時17分 作業場行ったらツナギが無かった 辞めろってか
07時44分 やっかい払いができた会社としては万々歳なんだろうな
12時05分 『誰でもよかった』 なんかわかる気がする
6日 01時44分 住所不定無職になったのか ますます絶望的だ
02時48分 やりたいこと…殺人 夢…ワイドショー独占
03時35分 誰にも理解されない 理解しようとされない
この一連の書き込みから、彼の疎外感、そして、 真面目に働いてきたが解雇されたと思い込み、 かすかな希望が打ち砕かれ、大量殺人の決意を 膨らませていったように推測する。
加藤容疑者の自宅は 人材派遣会社借り上げの4階建て ワンルームマンションの3階の1室。 そこで、1人暮らしをしていた。 このマンションの管理会社によると、 2004年12月から派遣会社が32部屋のうち 5部屋を借り上げているが、人の入れ替わりが激しく、 管理会社は、加藤容疑者の居住は把握していなかった という。
マンション管理会社からすると、加藤容疑者の存在は 不特定多数の名前のない存在、透明の存在。 そのような彼は 人と人とのつながりが薄弱で、疎外感と孤独感に あふれていたのだろうか。
誰にも話す相手もなく、その思いを 誰が見ているかわからない 携帯電話の掲示板に書き込む。
派遣社員は正社員と違って、 身分が不安定。
1990年代以降、規制緩和政策の一環として、 労働市場が自由化されていき、 派遣社員・契約社員が増加、 労働市場が流動化していく。
正社員と違って、 派遣社員・契約社員は、解雇しやすくなる。 解雇された 派遣社員・契約社員達は 不安定な状況で社会を漂流していく。
かつては、地域社会が崩壊していくなか、 企業が地域社会に替わって、人々の共同体的役割の 機能を果たしていたが、 非正社員の増加という労働市場の流動化で 企業も共同体的機能を弱めた。
社会的な動物である人間は、 所属する共同体を失えば、根無し草で、 社会を漂流し、人々のとのつながりが絶たれ、 孤独感・疎外感を増していく。
米国では、労働市場が流動化しているが、 米国では共同体的な機能を教会など 宗教が果たしているが、日本にはそれは弱い。
そのように社会学者の宮台真司氏は言う。
社会のどこかが共同体的な機能を担わないままに 労働市場を流動化させれば、 人々は漂流するだけで、 人々の孤独感・疎外感・不安感が強くなりがちだ。
加藤容疑者の携帯電話掲示板への書き込みを見て、 そのような現在の日本社会の背景を思い浮かべた。
加藤容疑者は少年時代は成績優秀の生徒、 何か希望を抱いて過ごしていたのだろうか。
高校で進学校に進学してからは成績は低迷していた というが、彼の面倒を見ていた教諭によれば、
高校生の時は、目に輝きがあったが、 逮捕時の様子を見たら目が死んでいる
という主旨の発言をしていた。
派遣社員という低賃金で潜在的に身分が不安定な中で、 真面目に働いてきたのに解雇されると勘違いして、 一気に絶望感に覆われたのではないか。
そして、社会への不満を募らせ、一気に大量無差別殺人 を実行した。
これはある意味「テロ」だと思う。
実は、日本国内で非正規社員の男によるテロ行為が 未然に防止されたことがあったのだ。
昨年、38歳の男が爆発物取締罰則違反罪で検挙された。 彼は、自宅にて爆弾を製造しようとしていた。 原料を薬局に買いにいったところ、 不審に思った薬局の人が通報したことにより発覚した。 彼は、就職するたびに解雇されたことへの不満から、 有職者への強いねたみを抱き、 西武新宿線の通勤ラッシュう時に爆破テロを実行 しようと考えていたのだ。
現状の非正規雇用者の不安定な雇用環境を放置した ままでは、日本国内で、社会に不満を抱いた若者による 大量殺人を狙ったテロが続発していく可能性が高くなる のではないか。
彼らのテロ行為ややがて、昭和初期のように 政治家や財界人に行われていくのではないか?
アメリカでは 貧困な若者が貧困から抜け出すために 軍隊に入るケースがあると言うが、 同じような状況が、日本、特に東北地方で 見受けられるようになっているという話を 聞いたことがある。
東北地方とはまさに、今回の加藤容疑者の故郷でも あるが、 昭和初期、経済恐慌などで、 東北地方をはじめとする地方住民たちは貧困を抱えていた。
時の政権の経済政策により、より大きな資本を持つ財閥に 富が集中し、貧困者が増加していく。
そのような国民の苦しみに対して、 当時の政党は財閥との癒着し、かつ、政党間の政争に 明け暮れ、満足な処方箋を政策として提示できなかった。
そのような帝国議会の政党政治の貧困さに憤ったのは 貧しい地方出身者が多くいた軍部の青年将校であった。
そして、政党に不満を募らす国民は軍部に期待を抱き、 世論の支持のもと 1931年の満州事変、そして、1932年の 軍部青年将校による5・15事件=犬養首相暗殺 という政権転覆をはかるテロが勃発したのだ。
5・15事件により、大正デモクラシーで育った 政党政治が終焉し、軍部の発言が強まり、 それが、やがて、日中戦争、日米開戦に つながっていくのだ。
その5・15事件の背景には、格差と貧困があり、 財界にべったりの政党政治があった。
今の時代、労働市場規制緩和による派遣社員などの 非正規社員増加と貧困の背景に、財界の意見ばかり 重用して、政策を実行してきたが、その状況が 戦前の5・15事件の時と重なる。
そして現代、経済が困窮している東北地方を含む地方 出身者が、民間企業に就職できず、 自衛隊に入隊していると言うが、 そのような彼らは5・15事件を起こした青年将校達の ようになってしまうことはないのだろうか?
社会に不満を持った25歳の派遣社員による 秋葉原の大量殺人テロ行為は、 もしかしたら、 政権をひっくり返すような大事件の導火線にも なっていくかもしれないという危機感を 政治家・官僚・財界人・マスコミ関係者は 抱いていないのだろうか?
経済的に苦しくなっている若者達が、 結婚せず、少子化が進み、消費を抑制していることを 「サイレンス・テロ(静かなテロ)」とも言われるが、 このままの社会状況では それが、いよいよ大量の流血を伴うテロとして、 続発していくような危惧を感じる。
テーマ:秋葉原無差別殺傷事件 - ジャンル:ニュース
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