「話す」の語源は・・・・・ 話すこととは心を○○すること
言葉を発することを「話す」と言うが、 その「話す」に「話」という漢字が用いられたのは 明治時代になってからだという。
室町時代や江戸時代 「はなす」という言葉に当てはめられた漢字は 口偏に「出る」と書いて「咄」という文字と 口偏に「新」と書いて「噺」という文字が用いられた。
「咄」という文字は、音読みで「トツ」であり、 口と音を表す「出(シュツ)」からなる漢字であるが、 「はなす」ということが、口から出るという意味で 「はなす」に用いられたのだろうと推測される。
もうひとつの「噺」は江戸時代に作られた国字である。 言葉を発するという意味で「はなす」以外に「かたる」が ある。「物語」という言葉はあるが、「物語」は 過去の古い事を表現するという意味合いがあったようで、 新ネタを表現する場合に「はなす」が用いられ「噺」という 国字が当てはめられたようです。
「はなす」という言葉は、室町・江戸という中近世に 生まれた言葉でなく、鎌倉時代 奈良時代からあったという。
その時、用いられた漢字は「放」という漢字である。 「はなつ」という意味だ。
万葉集の3420番
上毛野佐野の舟橋取り離し親は放(さ)くれど我(わ)は離(さか)るがへ
鎌倉時代の宇治拾遺物語に 言葉を発するという意味の「はなす」として 用いられているという。
つまり、 「話す」の語源は「放す」であったというのだ。
気持ちや思いを表す時に「はなす」のだが、 それは、まさに 「思いを放つ」ことであり「心を放つ」ことである。
「話す」ということは「心を放つ」ことなのです。
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