fc2ブログ
言霊・楽習社(がくしゅうしゃ) ~心豊かに、言葉を生み、人生を潤す~
語源、雑学など、時事ネタなど。また、楽習社とは私の脳内にある架空の企業です。所属組織や職業が変わろうとも、生涯、理系・文系を多様な知を楽習(がくしゅう)して、生きていきたいので、架空企業名を勤務先にしています。それを退職する時は私の人生が終焉する時です。当ブログ各記事に誘うための目次専用ペ ージはカテゴリートップにあります。PCページは画面左サイドに、スマホ画面からは下のマークの真ん中からカテゴリーにいくことができます

プロフィール

くわどん

Author:くわどん
世の中の森羅万象のことに好奇心を持つものです。
いろいろの世の中をことを知り、いろいろ言葉を
つづっていきます。
また、過去の各記事にアクセスしやすく
するため当ブログの目次専用ブログを
随時更新中です。

https://kuwatea.blog.fc2.com/blog-entry-1.html



最近の記事

2015年11月2日まで、10年間毎日更新してきましたが、その後は、週1回プラスアルファのペースで更新していきます。



カテゴリー



語源由来辞典からの引用

当ブログにおいて、語源のコメントを する時は、語源由来辞典から引用しています。

語源由来辞典へはここをクリック!!



リンク

このブログをリンクに追加する



フリーエリア



お買い物しませんか?



最近のトラックバック



最近のコメント



月別アーカイブ



ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる



ブログ内検索



RSSフィード



広告ですたい!



フリーエリア



「夢十夜」(夏目漱石 作)を耳で聞く短編小説NHKラジオ文芸館で聴いて・・・第一夜は100年後の逢瀬の物語、第六夜からノーベル賞受賞研究のヒントを得た科学者がいた!

今日は、令和3年(2021年)12月13 日 月曜日


本日の午前1時過ぎ、先週の月曜日の午前1時台と同じく
今週もコインランドリーに行き、ポケットラジオで
耳で聞く短編小説「NHKラジオ文芸館」を耳にしながら
洗濯と乾燥が終わるのを待った。

今週の小説は

本日の放送の概略をNHKラジオ文芸館のページを見ると

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「夢十夜」2021年12月13日
作:夏目漱石
「こんな夢を見た」という書き出しで知られる「夢十夜」から、
5つの短編を朗読する。「百年待っていて下さい」と言って死んだ女
を待つ第一夜、そして、夢の中で母から聞いたという話が語られて
いく第九夜、さらに、第四夜、第五夜、第六夜を朗読。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

夢十夜は、明治41年(1908年)に発表された
夏目漱石の小説である。

現在(明治)、神代、鎌倉、100年後と、
第一夜から第十夜まで、10の不思議な夢の世界に
ついての物語を綴る短編小説で、
これは明治41年7月25日から8月5日まで
「東京朝日新聞」で連載された小説である。
また、この夢十夜は
平成28年(2016年)3月9日から平成28年3月22日、
に朝日新聞で再掲載された。

本日のラジオ文芸館では、
夢十夜のうち第一夜、第四夜、第五夜、
第六夜、第九夜が朗読された。

そのうち、当ブログの記事では、
第一夜と第六夜について書く。


@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@

第一夜

こんな夢を見た。腕組をして枕元に坐っていると、仰向に寝た女が静かな声で「もう死にます」と云う。
初めは女の顔色から死にそうでないと思ったが、
再度、女が静かな声で「もう死にます」と言うので、確かに死ぬなと感じた。

女はこう言った。
「死んだら、埋めて下さい。大きな真珠貝で穴を掘って。
そうして天から落ちて来る星の破片(かけ)を墓標に置いて下さい。
そうして墓の傍に待っていて下さい。また逢あいに来ますから」
 自分は、いつ逢いに来るかねと聞いた。
「日が出るでしょう。それから日が沈むでしょう。
それからまた出るでしょう、そうしてまた沈むでしょう。
――赤い日が東から西へ、東から西へと落ちて行くうちに、
――あなた、待っていられますか」

自分は黙って首肯(うなず)いた。女は静かな調子を一段張り上げて、
「百年待っていて下さい」と思い切った声で云った。
「百年、私の墓の傍に坐って待っていて下さい。きっと逢いに来ますから」
 自分はただ待っていると答えた。
やがて、女の眼がぱちりと閉じて、長い睫(まつげ)の間から
涙が頬へ垂れた姿で、女は亡くなった。

自分はそれから庭へ下りて、真珠貝で穴を掘り、その穴の中に女を入れて、
そうして柔らかい土を、上からそっと掛けた。
それから星の破片(かけ)の落ちたのを拾って来て、かろく土の上へ乗せた。

女の墓の横で待ち始めた自分は、赤い日が東から昇り、西へ沈むのを何度も見るが、
それでも百年がまだ来ず、
そのうちに女に騙されたのではないかと自分は疑い始める。

すると石の下から斜(はす)に自分の方へ向いて青い茎が伸びて来た。
見る間に長くなってちょうど自分の胸のあたりまで来て留まった。と思うと、
すらりと揺ぐ茎の頂に、心持首を傾けていた細長い一輪の蕾が、
ふっくらと弁(はなびら)を開いた。

真白な百合が鼻の先で骨に徹(こた)えるほど匂った。
そこへ遥の上から、ぽたりと露が落ちたので、花は自分の重みでふらふらと動いた。

自分は首を前へ出して冷たい露の滴る、白い花弁(はなびら)に接吻した。
自分が百合から顔を離す拍子に思わず、遠い空を見たら、暁の星がたった一つ瞬いていた。
「百年はもう来ていたんだな」とこの時始めて気がついた。

@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@

以上が、夢十夜の第一夜のお話である。

亡くなった女は100年後に、百合の花になって
女の墓で待つ自分に会いに来たということであるが、
この物語の結末から思いつくのは
神話にありそうな話だなあと思ったりした。

白い百合の花言葉には
「純潔」というものがあるが、ギリシア神話の女神ヘラに由来している。

全知全能の神ゼウスの妻(また、ゼウスの姉でもある)女神ヘラがいるが、
その女神ヘラは結婚や母性、貞節を司る最高位の女神でもあり、
浮気者の夫・ゼウスの浮気に物申していた。

さて、浮気者のゼウスが人間アルクメーネの美貌に惚れて浮気をして、
その時、ヘラクレスが生まれた。
ゼウスは息子ヘラクレスを不死身にするため、
妻である女神ヘラの乳を与えようと思ったが、ヘラは嫉妬深い。
すると、ゼウスは女神ヘラが寝ている間に、
ヘラクレスにヘラの乳を飲ませていたが、
それに女神ヘラが気付いて、驚き怒って、
手で払い除け、ヘラクレスを引き離し、
この時、ヘラクレスの口から
こぼれた母乳が飛び散り、
天に飛んだものが天の川になり、
地上にこぼれたのが地に染み込んだ所は
白いユリの花になったという。

そのようなユリにまつわる神話がギリシア神話にある。

さて、ユリをどうして「百合」という漢字表記をする
ようになったのか。

ユリの葉や鱗茎(りんけい)が 多数重なり合うようすから
中国でこの花のことを 「百合 (ひゃくごう) 」 と漢字表記される
ようになったようだ。

さて、夢十夜の第一夜では、主人公は
亡くなった女の墓で、100年待って、
女の生まれ変わりの百合の花に、再度、逢うことなったが、

100年と百合の「百」から、
この漱石は、この物語を発想したのだろうか?
とふと思った。

百合(ユリ)は、ギリシア神話といいう西洋の神話と
百合という東洋の文字が合わさることを
印象付ける物語だなあと思った。


さて、夢十夜の第六夜のお話に移ろう。
これは、明治時代に書かれた作品ということを
頭に入れて読んでもらえればと思う。

@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@
第六夜

運慶が護国寺の山門で仁王を刻んでいると云う評判だから、
散歩ながら行って見ると、自分より先にもう大勢集まって、しきりに下馬評をやっていた。
山門を見ると古風で鎌倉時代のように見えるが
みんな自分と同じく、明治の人間であった。
そこに集まっている見物人人たちは
「人間をこしらえるよりもよっぽど骨が折れるだろう」となど
様々な下馬評をしているが、
運慶は見物人の評判には委細頓着(とんじゃく)なく
鑿(のみ)と槌(つち)を動かしている。いっこう振り向きもしない。
自分はどうして今時分まで運慶が生きているのかなと思った。
どうも不思議な事があるものだと考えながら、やはり立って見ていた。

一生懸命に彫っている運慶を見て、ある若い男が
「さすがは運慶だな。眼中に我々なしだ。天下の英雄はただ仁王と我われと
あるのみと云う態度だ。天晴あっぱれだ」と云って賞め出した。
 自分はこの言葉を面白いと思った。それでちょっと若い男の方を見ると、
若い男は、すかさず、
「あの鑿と槌の使い方を見たまえ。大自在の妙境に達している」と言った。

運慶の刀(とう)の入れ方がいかにも無遠慮であった。
そうして少しも疑念を挾んでおらんように見えた。

「よくああ無造作に鑿(のみ)を使って、
思うような眉(まみえ)や鼻ができるものだな」と
自分はあんまり感心したから独言のように言った。

するとさっきの若い男が、 

「なに、あれは眉や鼻を鑿(のみ)で作るんじゃない。
あの通りの眉や鼻が木の中に埋まっているのを、
鑿と槌(つち)の力で掘り出すまでだ。
まるで土の中から石を掘り出すようなものだから
けっして間違うはずはない」

と云った。

自分はこの時始めて彫刻とはそんなものかと思い、
そうなら誰にでもできると考えた。

それで急に自分も仁王が彫ほってみたくなり、
自宅に帰り、道具箱から鑿と金槌を出し、
先日の暴風で倒れた樫の木で、薪に使うために積んでいた中から
自分は一番大きいのを選んで、勢いよく彫ほり始めて見たが、
不幸にして、仁王は見当らなかった。その次のにも運悪く
掘り当てる事ができなかった。
三番目のにも仁王はいなかった。自分は積んである薪を片っ端ぱしから
彫って見たが、どれもこれも仁王を蔵(かく)しているのはなかった。
ついに明治の木にはとうてい仁王は埋まっていないものだと悟った。
それで運慶が今日まで生きている理由もほぼ解った。


@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@


以上が、夢十夜の第六夜のお話である。

仁王を彫っている運慶について
一緒にみていた若い男から
「木の中に埋まっている仁王を掘り出している」と言われ、
それなら自分でも掘り出せるだろうと思い、
自宅に戻り、木を彫り始めるが、何度やっても仁王は出てこず
運慶が明治の現在に生きている理由がわかり、
木の中にある仁王を彫り出すのは
運慶でなければできないということが
伝わる物語であった。

この夢十夜の第六夜での

「なに、あれは眉や鼻を鑿(のみ)で作るんじゃない。
あの通りの眉や鼻が木の中に埋まっているのを、
鑿と槌(つち)の力で掘り出すまでだ。
まるで土の中から石を掘り出すようなものだから
けっして間違うはずはない」

という表現が、ある日本人ノーベル賞受賞者の
授賞対象研究に重大な示唆を与えたのであった。

その日本人ノーベル賞受賞者とは
化学反応における電子の軌道に関する
「フロンティア軌道理論」が評価され
昭和56年(1981年)に
ノーベル化学賞を受賞した福井謙一である。

科学者である福井謙一は化学反応に関する理論を構築するに
あたっても、
夢十夜の第六夜のような
最初から木の中に埋まっている仁王を掘り出すかのような
自然らしさが必要と考えたという。


私は、夏目漱石の夢十夜の第六夜が
福井謙一のノーベル賞受賞研究に重大な示唆を与えた
というエピソードを知っていたので、ラジオ文芸館で
「夢十夜の第六夜」が朗読されると知り、
楽しみにして、深夜のコインランドリーで
ポケットラジオのイヤホンから
聴こえる夢十夜の第六夜を聴いて楽しんだ。

それにしても、小説などの文学的な素養というのが
科学者に発想の豊かさをもたらし
自然科学の発展に寄与し得るのだ。

文学的素養が自然科学の研究の
発想の源になった事例として
他には、
日本人初のノーベル賞を受賞した湯川秀樹がある。
湯川秀樹は
李白の漢詩から「素領域」という素粒子物理学に示唆を
与えるコンセプトを閃いたりしている。


青空文庫
夢十夜 夏目漱石

 こちらをクリックすれば、夢十夜の第一夜から第十夜まで読書可能です


○このブログ内の関連記事

ノーベル化学賞受賞者と夏目漱石の小説・・・・ノーベル化学賞を受賞した福井謙一は夏目漱石の「夢十夜」の第六夜の運慶が仁王を彫り出す描写をヒントにノーベル賞受賞の理論を構築した

天才、湯川秀樹!・・・李白の漢詩から素粒子物理学の「素領域」という概念をひらめいた日本人初のノーベル賞学者のすごさ


○ラジオ文芸館に関すること

「おじいさんのランプ」(新美南吉 作)を耳で聞く短編小説NHKラジオ文芸館で聴いて・・・古い商売がいらなくなれば、すっぱりその商売は棄てて、世の中のためになる新しい商売にかわろうじゃないか・・・変化とともに生きることの大切さを訴える普遍性のある児童文学

「埋め合わせ」(森浩美 作)を耳で聞く短編小説NHKラジオ文芸館で聴いて・・・父の圧力で不本意ながら医者になった主人公へある老人が差し出すペットボトルのお茶に、心の隙間を埋めわせを感じた理由は・・・「ナナメの関係」の大切さ


原田マハ 作の「無用の人」を、耳で聞く短編小説NHKラジオ文芸館で私の人生と重ね合わせながら聴いて・・・無用の人扱いされた他界した父が娘に贈った最後の誕生日プレゼントとは

原田マハ 作の「長良川」を、耳で聞く短編小説NHKラジオ文芸館で聴いて・・・亡き夫との思い出が詰まった長良川を娘と娘の婚約者との旅で回想しながら、長良川の風景がいっさいがにじんで美しく見えていた。

ロバのサイン会・・・消費され消え行くものに過ぎないものが育む絆・・・耳で聞く短編小説NHKラジオ文芸館を聴いて・・・

「トオリヌケ キンシ」(加納朋子 作 )を耳で聞く短編小説NHKラジオ文芸館で聴いて・・・・何気ない日常のふるまいが誰かを大きく助けていることがあれば嬉しいですね

「本番、スタート」(ドリアン助川 作)を耳で聞く短編小説NHKラジオ文芸館で聴いて・・・・日の目を見ず、下っ端であろうが、その人の人生の主人公はその人本人なのである

スポンサーサイト




テーマ:読書メモ - ジャンル:学問・文化・芸術


この記事に対するコメント


この記事に対するコメントの投稿













管理者にだけ表示を許可する


この記事に対するトラックバック

トラックバックURL
http://kuwadong.blog34.fc2.com/tb.php/4243-481370a2
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)