言霊・楽習社(がくしゅうしゃ) ~心豊かに、言葉を生み、人生を潤す~
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「蒼い岸辺にて」(朱川湊人(しゅかわ・みなと) 作)を耳で聞く短編小説NHKラジオ文芸館で聴いて・・・自殺を図った主人公が三途の川で見た自分の未来とは・・・死で逃げるのではなく、生きて逃げてひきこる、生き続ければ、小さな楽しみや喜びを見出せるから

今日は、2017年(平成29年) 5月 7日 日曜日

昨日の朝の午前8時05分からNHKラジオで、
「耳で聞く短編小説ラジオ文芸館」を聴いた。

昨日の小説は、朱川湊人氏の「蒼い岸辺にて」であった。

その簡単なあらすじをNHKのラジオ文芸館のページから引用すると

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「蒼い岸辺にて」


二十歳の早織(サオリ)は、息苦しさから解放され気がつくと、蒼い世界に倒れていた。
そこには大きな河があり、古いボートと渡し守の男がいた。男から「自殺した」ことを
指摘された早織は、二十年間の無駄だったとしかいえないような人生を振り返る。
 三途の川を渡る際、渡し守は、「未来ゴミ」と呼ぶ“これから掴むはずだった未来”
を一つ一つ捨てていく。そこには早織が想像もしていなかった出会いや憧れの職業、
夫や子どもが次々とあらわれる。早織はそれらを目の当たりにし、渡し守と会話することで、
「あの世」から「この世」に戻りたいと訴えるが・・・。
 新年度が始まり1ヶ月。「五月病」とも言われる憂鬱な気分に
なりがちなこの時期に、心に元気をくれる作品。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ということだが、この物語の詳細を以下に書いていく。
少々記憶が曖昧な部分があり、間違っている部分があるかも
しれません。

@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@

二十歳の早織が何か気づくとみぞおちに何か重たいものが乗せられている
かのような感覚があり息苦しく、何かの拍子にそれが落ちたのか
息苦しさから開放されると、蒼い世界で倒れていた。
起き上がり、裸足で歩くと、目の前に大きな海があった。
すると、その岸辺に海に浮かぶボートに白髪で背も鼻も高い男が
「ここは海じゃねえよ」と荒っぽく早織に言ってきた。

そこは海でなく死後の世界にあるとされる三途の川であった。
早織は、どうして自分がここにいるのかすぐにはわからなかったが、
船に乗るその口の悪い男に、自分が自殺をしてそこにいることを知らされた。

そう、早織はつらい人生をはかなんで致死量ピッタリの質量で
薬物による自殺を図ったのだ。

その口の悪い男は、三途の川で、この世からあの世への舟渡しをする
渡し守の役目の負っている。
すると、その男は
「うわ、寿命前に死んでやがる。めんどくせえ~」とはき捨てるように言う。

早織はその失礼な物言いに腹が立ったが、
男曰く、川を渡る前に、体から完全に魂が離れる
「魂離れ(たまばなれ)」が必要なのだが、
寿命前に死んだものはその「魂離れ」に時間がかかって、
いつも幾人も渡しの役目をしている男にとっては、
それが、時間の無駄に思えるのだ。

そして、寿命を残して死んだもの未来ゴミを処分するのも
その渡し守の男の役目であっ。た

そうしないと、早織が亡くなったことで、
将来、早織と出会ってしまう者たちが早織と出会うことで
得られる機会を失わせてしまうからだ。その者が
早織以外の者からそれを得れるようにするために
行う作業が「未来ゴミ処分」である。

未来ゴミ処分は川を渡ってからするのだが、
かなり寿命前に亡くなってしまったので
魂離れまで時間がまだまだかかるので、
早織を船に乗せて渡す前に未来ゴミ処分をすることにした。

早織は
縦60cm横40cmの麻袋に両手をつっこまされた。
麻袋から早織は卵のようなものを掴んだ。

それを男が取ると、
「×山○子を知ってるか?」と男は早織に言う。
すぐには思い出せなかったが、同じ高校に通っていた
成績優秀の女性で、有名大学に進学したことを思い出した。
ただ、早織は彼女とあまり接点がなかった。

すると、渡し守の男は
近いうちにふと彼女と出会って、アニメが共通の趣味で
意気投合して、親友になる未来だという。

その彼女と親友になる未来の出来事の卵を
渡し守の男は、川に投げ入れた。
そうしないと、×山○子に親友が早織以外の
誰かとできる機会を奪ってしまうからだ。

次に取り出した卵は早織が就職先で出会った
男と交際する未来のできごとだった。

早織はブスでデブだから、今まで
男から求愛されたこともなく、振られ続けた
自分が男と付き合う未来があるとは思えなかった。
渡し守の男は
「ブスやデブでも好む男はいるんだよ」

しかし、渡し守の男は続けて、
「ああ、この男とは別れるわ。その男は二股かけているわ」
と言うと、早織はどうせブスでデブな私はそうなってしまうのよと
言ったが、すると、渡し守の男は
「おまえは、その振られたことでダイエットに目覚めて、痩せて
スタイルが良くなってな。二股で一度は振った男が
お前に再び交際することを申し込むが、お前が今度は
その男を振るのだよ」
早織は今まで男に振られ続けてきた自分が男を振るなんて、
信じられなかった。
その未来卵も渡し守の男は川に投げ入れた。

そして、未来の夫との出会いの卵も投げ入れた。
すると、渡し守の男は
「12個の卵があるなあ。」と言う。
早織はさすがに12人も子どもは作れないと思った。
渡し守の男は「絵本だ」という。

そう、早織は絵本作家になりたいと思うことがあったが、
なれないと思ってそのなるための努力も準備もしてこなかったが、
結婚、出産をして、絵本作家となって、絵本を数多く出版して、
また、賞を受賞するほど絵本作家として成功する未来であった。
その卵も川に投げ入れられた。

未来ゴミを川に投げて、船に乗るまでの間、

渡し守の男は早織に

「人間の悩みは運動会の障害物競走でのハシゴくぐりで、ちょっと肩が引っかかって
アタフタしているようなもの。抜けてしまえば何であんなにアタフタしていたのか自分で
もおかしくなるくらい。きっとお前も早まらなかったら、いつかそう思ったはずだ。
生きるも自由、死ぬも自由。だったら今度は生きる自由を選んだら絶対に面白い」

と言った。

そうしているうちに、早織の頭に浮かぶ早織の身体と魂を結ぶ
紐が徐々に薄れてきて、魂離れの準備が整ったと判断した
渡し守の男が「船に乗ってわたろうか、船に乗っている途中で
魂離れは終わるだろう」と早織は渡し守に誘われ船に乗り、
渡し守は船を岸辺から離し、少し船を進ませると

早織は「この世に戻りたい!」と言い出した。

渡し守も男「一度、船を出したら戻せないのが決まりなんだ」

早織は「川に飛び込んで泳いで岸へ行く」

渡し守の男「川は底なしだ。その川の水に触れたらおまえは石になってしまう」

早織はそれでもこの世に戻りたいと言う。
渡し守の男は、「めんどうくせえなあ」と言いながら、
早織の気持ちに根負けして、ボートから身を乗り出し、
手に持っていたボートのオールを伸ばして、
自分の身体とそのオールでボートと岸をつないで
橋のようにして、早織に
「俺の背中と頭と腕に乗って、岸へ走れ」と言う。

早織は、渡し守の背中と頭に足をおいて駆けていった。
ただ、オールのところで太り気味の早織はよろけてしまい
足が水面につかる。ただ、なんとか岸に着地ができた。

足を見たが、どうやら水面の上を歩いたようで、
足は石になっていなかった。
ただ、それまで裸足だった足は靴を履いた状態に
なっていた。

渡し守の男が
「それは、お前がいる病室で待っている父さん、母さん、姉妹
友達らが送ったものだ。お前が帰って来るのを待ってるぞ!」

そして、最後に彼はこの世に帰ろうとする早織に

「でも忘れちゃなんねぇのは、勝手にうまい話が、向こうから転がりこんで来て
くれるわけじゃねぇってことだ…どれもこれも、しょせんは卵に過ぎねぇんだからな。
育てないと孵らねぇんだよ。」

と言い放った。それを聴いた早織はこの世の世界に戻るため
駆けていった。

@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@

という感じのお話でしたが、生きていて、とても死にたくなるような
つらいことがあっても、命を絶つのではなく、生きてどこかに逃げること。

それは今と違う場所であってもいいかもしれないし、引きこもるのも
いいかもしれない。

いずれ先の将来、
渡し守が言うように

「人間の悩みは運動会の障害物競走でのハシゴくぐりで、ちょっと肩が引っかかって
アタフタしているようなもの。」と思える時がくるかもしれない。

例えば、学校や職場でいびられいじめられて、また、過労などで
自ら命を絶つような衝動に駆られないように、
逃げて、引きこもったりするのも、自分の命をつなぐための
戦略的撤退と思えばいいのかもしれない。

また、進学の受験や就職に失敗して自殺する若者もいるが、
それが失敗して、得られないものがあっても、生きていれば、
大なり小なり得られるものがある。

私は、大学在籍中まではうまく行っていたほうだった。
現役で当時世ゼミの偏差値65ぐらいの大学にできて、
大学卒業時、学科内の卒業生のうち上から5番目の成績だった
ようだったで、そのためか、4回生の時、
事実上の授業料免除の給付奨学金を学校からもらったり
してたが、卒業後の進路で悩みながら中途半端な
取り組みで、他の大学の大学院進学に失敗を3年続けて、
最終的に、大学を卒業してから2年後に小さな零細企業の
シンクタンクに友人の縁故のお陰で就職できた。
仕事内容は私のやりたい内容だったが、給与は低く
一人暮らしが精一杯であった。転職もうまく行かず
そこで14年勤務して、ある方向性に向って準備しつつ
その会社で働き続けようと思っていると、
平成24年に、
前の年の福島原発事故の影響で、その会社で勤務を
退職せざる得なくなり、失業して、なかなか就職活動も
うまく行かず、非正規社員で自分がしたいとは思わない
仕事内容でも生活のため働き、職場を転々としている状況だ。
また、大学在籍中は、どこかの企業に就職して
所帯を持てるほどの給料いただいて、30歳までには
結婚しているかなと思ったりしていたが、
薄給人生のためとても結婚などはできない状態の
人生であるが、そのような
自分のことを不幸とは一度も思ったことはないし、
こんなはずの人生じゃなかったと思ったことは
一度もない。

私は歴史が好きで第2次世界大戦のこといろいろ
知ったりして、そのときの日本の多くの人が感じていた
日々爆弾の雨が降ってきて焼き殺される恐怖を
今は味わうわけでもなく、そんなことに比べると
私の今の現状はたいしたことでもないと思ったりする。

今の仕事は本来したいと思う内容ではないが、
職場の皆さんはとても良くて、職場のみなさんとの
会話が楽しかったりする。

仕事以外の時間は、いきつけのカフェで自分の好きな読書をしたり、
このようにブログを書いたり、ネットで好きな音楽を聴いたり、
小さな楽しみや喜びがいっぱいある。
それに感謝して、日々の日常の中に埋もれていることに
楽しみと喜びを見出して過ごして生きたいと思っている。

私は、今回の小説の主人公の早織のように自殺をしたいと
思うようなつらい体験はないが、
もし、そのように感じている人がいるとすれば、
つらい状況から生きて逃げてひきこもるのもいいと思う。
その環境で少しでも楽しめるもの喜べるものがあれば
それを大切にして欲しいと思う。
生きていれば、大なり小なり楽しめたり喜べるものが
あると思うから。


「蒼い岸辺にて」 収録

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