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言霊・楽習社(がくしゅうしゃ) ~心豊かに、言葉を生み、人生を潤す~
語源、雑学など、時事ネタなど。また、楽習社とは私の脳内にある架空の企業です。所属組織や職業が変わろうとも、生涯、理系・文系を多様な知を楽習(がくしゅう)して、生きていきたいので、架空企業名を勤務先にしています。それを退職する時は私の人生が終焉する時です。当ブログ各記事に誘うための目次専用ペ ージはカテゴリートップにあります。PCページは画面左サイドに、スマホ画面からは下のマークの真ん中からカテゴリーにいくことができます

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6月29日は「星の王子様の日」・・・なにもかもできあがった品を、店で買う。でも友だちを売っている店なんてないから・・・資本の論理で人間関係希薄化が進む中、関係性の履歴を深めることを思う

今日は、2015年(平成27年)6月29日 月曜日

6月29日は「星の王子様の日」である。
それは、小説「星の王子様(Le Petit Prince)」の作者である
フランス人のサン=テグジュペリ(Saint-Exupéry)の生誕の日が
1900年6月29日であることに由来している。

サン=テグジュペリは、20代前半に飛行士になり、
26歳で作家としてデビュー、自分の飛行士の体験を基にした
小説を発表していく。

1931年発表の「夜間飛行」、
1939年発表の「人間の大地」がフランスでベストセラーになる。

1939年9月、第2次世界大戦が勃発して、
フランスがドイツに宣戦布告をすると、
サン=テグジュペリは召集され、
やがて、彼は航空の偵察隊に配属された。
しかし、フランスがナチスドイツに占領され敗北すると、
サン=テグジュペリはアメリカ合衆国に亡命。
その亡命中のアメリカで1943年に発表したのが
「星の王子様」である。

この「星の王子様」にあたり
サン=テグジュペリは次のメッセージを記している。

この物語を世界中の子供たちに
自分が子供だった頃を忘れがちな、
かつて子供だった大人たちに
そして、うわべだけでなく
物事の目には見えない本当のことを見つめる
勇気を持った全ての人々に
心からの友情をこめて贈ります。


その作者のメッセージが記された「星の王子様」のお話は
次のようなものである。


サハラ砂漠に不時着した「ぼく」が
最初の晩の夜明けに、

「おねがい・・・ヒツジの絵を描いて!」
「え?!」

というひとりの少年の声で
目覚めると、その少年は不思議な雰囲気をしていた。
ぼくはその少年からいろいろ話を聞いていった。

その少年は、ある星に住む王子様で、
その星は一軒の家より少し大きいほどの小さな星であった。

その星にはバオバブの芽があった。ただ、
それが根を張ってしまうと星を割ってしまうそうなものであった。
また、その星には小さな小さな火山が3つ、
そして、ある日、別の星から風に乗って運ばれてきた種から
咲いた1本のバラ。
そのバラの花である女性の美しさにひかれ、仲良くなって
友達になろうとするが、
そのバラの女性は、高飛車でわがままで
見栄っ張りで気まぐれで
「あれして、これして」といろいろ要求してくる。
それは本音は、彼女が星の王子の気を引きたい気持ちから
裏腹なことをしてしまっていたのだ。
しかし、星の王子は彼女を愛して、いろいろ世話を
していく。水をあげたり、風に吹かれて寒いからと
ガラスの覆いをかぶせてあげたり。
ただ、星の王子は
彼女のわがままぶりに当惑し、
あるとき、彼女と星の王子がちょっといさかいとなり
もみあった時に
バラの彼女のトゲが王子の手に刺さってしまう。

それで王子はその星を離れ、他の星へ旅することを決意する。
王子はバラの花の彼女を気遣いながらも
戻ってくる気はなかった。
王子が去っていく時、
バラの花の彼女に
「さようなら」と告げると、
彼女は「わたしばかだった」
と本心では王子を愛していることを告げるが、
別れ際にいろいろ彼女を心配して声をかける王子に対して
彼女は
「さあ、いつまでもぐずぐずしないで。いらいらするから。
 行くって決めたのなら、もう行って」
と突き放す言葉を放つ。それは彼女のプライドの高さゆえ
涙を流すところをみられたくなかったからだ。

星の王子は故郷の星を旅立ち、次々と星を旅するが
その星々にいる奇妙な大人達に遭遇する。

1つ目の星には、
自分の体面を保つことに汲々とする王がいて、
王さまは、なにより自分の権威が守られることを望み、
命令に従わないなど、がまんならない絶対君主であった。

2つ目の星には、
賞賛の言葉しか耳に入らない自惚れ屋がいた。

「きみはほんとうに、私を心から称賛しているかな?」大物気どりは王子さまに聞いた。
「『称賛する』って、どういうこと?」
「『称賛する』といのは、私がこの星でいちばんハンサムで、
いちばんおしゃれな服を着ていて、いちばん金持ちでいちばん頭もいいと、認めることだ」
「でもこの星には、あなたしかいないよ!」
「それでも私を、称賛してほしいなあ!」
「称賛するよ」王子さまは、ちょっと肩をすくめて言った。
「でも、どうしてそんなことがおもしろいの?」
 そうして王子さまは、その星をあとにした。
<おとなって、やっぱり変だ>旅を続けながら、王子さまは、すなおにそう思った。

3つ目の星には、
酒を飲む事を恥じ、それを忘れるために酒を飲む呑み助がいた。

「そこでなにをしてるの?」王子さまは、酒びたりの男に聞いた。
男はからになった瓶と酒の入った瓶を、それぞれずらりと並べて、その前でなにも言わずにすわっていた。
「飲んでるんだ」暗い面持ちで、酒びたりの男は答えた。
「どうして飲んでるの?」王子さまがたずねた。
「忘れるため」男が答えた。
「忘れるって、なにを?」なんだかかわいそうになってきて、王子さまは聞いた。
「恥じているのを忘れるため」男はうつむいて、打ち明けた。
「なにを恥じているの?」救ってあげたいと思って、王子さまはたずねた。
「飲むことを恥じている!」酒びたりの男はそう言うと、沈黙のなかに、完全に閉じこもった。
王子さまは、どうしたらいいのかわからなくなって、その星をあとにした。
<おとなって、やっぱりすごく変だ>旅を続けながら、王子さまは、思った。

4目の星には、
夜空の星の所有権を主張し、その数の勘定に日々を費やす実業家がいた。

「ぐうたらどもに、あれこれ夢を見させる金色のちっちゃなものだ。
だが私は、有能な人間だからな!夢など見てるひまはない」
「ああ!星だね?」
「そのとおり。星だ」
「5億もの星をどうするの?」

(中略)

「それはそうだね。それで、あなたは星を所有してどうするの?」
星の王子が言うと、

「おれは星を管理するんだ。星々を数えて、そしてまた数え直すんだ。
難しいことだぞ。でも、おれは重要な人間だからな!」
実業家は言った。

(中略)

星の王子は、重要だと思うものについて、大人たちとは大いに違った考えを持ってた。

「花の持ち主だったから、毎日水をやっていた。三つの火山の持ち主だったから、
毎週煤のそうじをしていた。火の消えたのも、そうじしていた。用心にこしたことはないものね。
だから火山にとっても花にとっても、ぼくが持ち主で、役に立っていた。
でもあなたは、星の役には立っていない・・・・・・」

実業家は口を開いたが、返すことばが見つからなかった。
そこで星の王子は、その星をあとにした。
<おとなってやっぱり、まったくどうかしてるな>王子さまは、
旅を続けながら、すなおにそう思った。

5番目の星には、
1分に1回自転するため、1分ごとにガス灯の点火や消火を行なっている点燈夫がいた。

6番目の星には、
自分の机を離れたこともないという地理学者がいた。

星の王子にとっては、どの大人も変な大人ばかりだと思った。
6番目の星の地理学者の勧めで、彼は地球にむかった。

星の王子が地球で始めに出逢い言葉を交わしたのは蛇だった。

その蛇は星の王子に対して、
「おれが触れたやつは、そいつを生まれ故郷の土に還してやることができるんだぞ。
でも、おまえは純情そうだし、他の星からやって来たんだったよな...」

「おまえを見ているとなんだか哀れに思えてくるよ。おまえはひ弱すぎるんだ、
この岩だらけの地球の上では。自分の惑星が懐かしくなったら、
そのときはおれが手助けしてやるぞ。おれには...」

と謎めいた言葉を言い放った。

その後、星の王子は
砂や岩や雪を歩いて通り抜け、ある一本道を通り抜けると、
5000本のバラが群生しているのを見た。
それを見た彼は、
自分の星のバラよりずっとたくさんのバラを見つけて、
自分が愛したバラは宇宙に1本しか存在していないと
故郷の星に残したバラの彼女は言っていたが、
自分の愛したバラはごくありふれたバラにすぎなかったことを嘆く。

すると、ある一匹のキツネが現れ、
星の王子と言葉を交わす。
そのキツネは星の王子に、
「なつく」ということと「絆をむすぶ」ということの意味を教える。

王子
「友だち(になってくれる人)をさがしているんだ。『なつく』ってどういうこと?」

キツネ
「それはね、『絆を結ぶ』ということだよ。」
    
王子
「絆を結ぶ?」

キツネ
「そうとも。きみはまだ、ぼくにとっては、ほかの十万の男の子と何も変わらない男の子だ。
だからぼくは、べつにきみがいなくてもいい。きみも、別にぼくがいなくてもいい。
きみにとってもぼくは、ほかの十万のキツネと何の変わりもない。
でも、もし、きみがぼくをなつかせたら、僕らは互いに、なくてはならない存在になる。
きみはぼくにとって、世界で1人だけのひとになる。ぼくもきみにとって、
世界で一匹だけのキツネになる」

(中略)

キツネ
「もしよかったら...おいらと親密になっておくれよ!」

王子
「そうしたいけど、僕にはあまり時間がないんだ。僕は友だちを見つけなくてはならないし、
知らなくてはならないこともたくさんあるんだよ」

キツネ
「親密になったことしか知ることはできないよ。人間たちはもう時間がなくなりすぎて、
ほんとうに何も知ることができないでいる。
なにもかもできあがった品を、店で買う。でも友だちを売っている店なんてないから、
人間たちにはもう友だちがいない。きみも友だちがほしいなら、ぼくをなつかせて!」

王子
「どうすればいいの?」

キツネ
「がまん強くなることだ。はじめは、ぼくからちょっとだけ離れて、こんな風に、草の中にすわるんだ。
僕は横目でちらっときみを見るだけだし、きみもなにも言わない。ことばは誤解のもとだから。
でも、日ごとにきみは、少しずつ近くにすわるようにして...」

翌日、星の王子が再びそこに戻ると、

キツネ
「同じ時刻に戻って来ることのほうが大切なんだよ。
例えば、もしきみが夕方の4時に来るなら、僕は3時からうれしくなっている。
時間が経つにつれて、おいらはどんどん幸せになってくる。
4時になったときには、もうそわそわしたり、どきどきしたりおいらは動揺して心配になるんだ。
おいらはこうして幸福の味を知るんだよ!でも、もし君がいつ来るか分からないようだとしたら、
何時に心の準備をすればよいか分からない...習慣にしなくてはいけないんだよ」

そのようにして、星の王子とキツネが親密になっていき、
出発が近づいてきた時、互いに惜別の情を抱きつつ、
キツネは星の王子に

「バラたちにもう一度会いに行ってきなよ。君の花が世界にひとつだけの存在だって
分かるよ。君がここに別れの挨拶をしに戻って来たとき、おいらは君に秘密の贈り物をするよ」

星の王子は、5000本のバラ達のところに向かい、バラ達にこう言った。

「君たちは僕のバラとは全然似ていないよ。まだ君たちはただのバラだもの。
だれも君たちと親密になっていないし、君たちだってだれとも親密になっていない。
君たちは僕と知り合う以前のキツネみたいなものだよ。
以前は大勢いるキツネの一匹にすぎなかったけど、僕と彼とは友だちになったんだ。
だから、今では彼は世界にひとつだけの存在なんだよ」

バラたちはとても困惑した。
続けて、星の王子はバラ達にこう言った。

「君たちは美しいけど、空っぽだよ。だれも君たちのために死なないんだ。
もちろん僕のバラだって、通りすがりの人が見れば、きみたちと同じだと思うだろう。
でも、君たちすべてよりも彼女ただひとりのほうがもっと大切なんだ。
なぜなら、彼女だけが僕が水をあげたバラだからだよ。
ガラスのおおいをかけてやったのも、あのバラだもの。
ついたてで守ってやったのも、
毛虫を殺してあげた(蝶々になるのを待つために二、三匹残した以外)
バラだからだよ。
文句や自慢、ときどきは黙りこんだりするのにまで、耳をかたむけてやったのも。
だって彼女は、ぼくのバラだもの」


そして、星の王子はキツネのところへと戻ると

「さようなら...」
とキツネに言うと、
キツネも
「さようなら」
キツネと告げると、続けて
「これがおいらの秘密だよ。とても単純なんだ。
心でなくちゃ見えないものがあるんだよ。大事なものは目では見えないんだ」

「大事なものは目では見えない」
星の王子は、忘れてしまわないように繰り返した。

「きみのバラをかけがえのないものにしたのは、きみが、バラのために費やした時間だったんだ」

「僕がバラのために費やした時間」
星の王子は、忘れてしまわないように繰り返した。

「人間たちは、こういう真理を忘れてしまった。きみは、なつかせたもの、
絆を結んだものには、永遠に責任を持つんだ。きみは、きみのバラに、責任がある」
キツネは言った。

「僕は、僕のバラに責任を負っている...」
星の王子は、忘れてしまわないように繰り返した。

星の王子様はその後、鉄道のポイントを切り換える
転轍手(てんてつしゅ)と言葉を交わす。
その中で、星の王子はこう言った。
「子供たちだけが自分がなにを探しているのか知っているんだよ。
子供たちはぼろきれでできた人形に時間を費やしていて、
だからその人形はとても大切なものになるんだよ。
もしだれかが人形を取り上げたら、子供たちは泣いてしまうだろう...」

そんなこんな話を日々飛行機を修理しようと悪戦苦闘するかたわら
星の王子から聞いていた飛行士のぼくであるが、
ついに蓄えの水が底をつき、途方に暮れる。
星の王子は井戸を探しに行こうという。砂漠の中にあるはずはないと
思ったが、井戸が見つかった。

星空の下を歩き、滑車の歌を聞き、ぼくが力仕事をして得た水だ。
だからこそ、それは贈り物にも似た、心にいい水なのだ

そうぼくは思った。

そして、星の王子は、
明日でちょうど地球に来てから一年がたつのだと
ぼくにに告げる。
星の王子は、あることのために自分が落ちてきた場所に
戻ろうとしていたのだ。

星の王子が
「ところで、君にはしなくちゃいけないことがあるよね。機械を修理しなくちゃいけない。
僕はここで待っているよ。明日の晩には戻ってきて...」と、
ぼくに言うと、星の王子はその場に残り
ぼくは飛行機の修理をするために戻っていった。
翌日、奇跡的に飛行機が直り、ぼくは王子に報せに行く。
すると、王子は蛇と話をしていた。

「きみのはいい毒なんだね? ぼくを長く苦しめたりしないね?」

その蛇は人間が咬まれると30秒で死ぬような黄色の蛇であった。

 驚いたぼくは、ヘビを追い払うと星の王子を抱きかかえた。
「ぼくも、きょう、家に帰るんだ・・・」と王子はつぶやく。

星の王子が砂漠にやってきたのは、1年前と星の配置が全く同じ時に、
ヘビに噛まれることで、身体を置いて自分の故郷の
小惑星に帰るためだったのだ。

星の王子は、ぼくにこう言う。

「きみは、夜に、星をながめる。ぼくの星がどこにあるのかをき
みに知らせるのには、ぼくの星からでは、あまりにちいさすぎる
よ。そのほうがいいんだ。ぼくの星は、きみにとって、空いっぱ
いの星のなかの一つになるんだ。だから、空いっぱいの星をなが
めるのが、きみは好きになって……。星はみんな、きみのともだ
ちになる。そうだ、きみに贈りものをするよ……」

「夜に、きみが空をながめるとき、ぼくがその星の一つに住んで
いるから、ぼくがその星の一つで笑っているから、だから、きみ
にとっては、星がみんな笑っているみたいになる。きみは、それ
で、笑うのが上手な星をもつことになるんだ!」

その夜、一人で出かけた星の王子に、ぼくは急いで追いつく。

星の王子はぼくにこう言う。
「きみは、わかっているよね。あまりにとおすぎるんだ。ぼくは、
この体を持っていけない。あまりに重すぎるんだ」

「ね・・・ぼくの花・・・ぼくはあの花に責任があるんだ! 
それにあの花、ほんとうに弱いんだもの! ものも知らないし。
世界から身を守るのに、何の役にも立たない四つのトゲしか持ってないし・・・」

そして、星の王子のくるぶしあたりに黄色く光るものが見え、
声も出さず星の王子は一本の木が倒れるごとく
音も立てず、ゆっくりと倒れていった。

翌日、星の王子の身体は跡形もなくなっていた。
王子が自分の星に帰れたのだとぼくは考え、夜空を見上げる。

その後、砂漠から無事に帰還してからぼくは、6年たった今も、
自分の星に帰ったであろう星の王子のことを考える。

「王子さまの星はどうなっただろう? もしかしたらあのヒツジが、
花を食べちゃったかもしれないぞ・・・」

 あるときは、続けてこう思う。

「そんなことはないさ! 王子さまは毎晩ガラスのおおいで花を守ってやるんだし、
ヒツジのこともしっかりみはっているだろう」

 するとぼくはうれしくなる。星という星がぜんぶ、やさしく笑う。

またある時は、こんな風に思う。
「一度や二度、ぼんやりしてしまえば、もうおしまいだ!
ある晩、ガラスのふたをかけるのを忘れたり、
夜、ひつじが音を立てずに出て行ったりしたら」
そう思うと、鈴はみな、涙に変わってしまう!・・・

そこには、まさに、大きな秘密があるのです。
王子さまを愛しているあなたたちにとっても、ぼくにとっても、ぼくたちの知らない、
どこかのヒツジが、バラの花を食べたか、食べなかったかで、世界のどこかが、
すっかり違ってしまうのです…
空をみてください。 そして、自分の心に聞いてみてください。
「ヒツジは、花を、食べた? 食べなかった?」
答えがどちらかで、あなたの目に映るものが、まったく変わったもののように
見えることでしょう…
そして、それが、どんなに大事なことか、大人は誰一人、つゆほども、わかり
はしないでしょう。


というのがサン=テグジュペリ作の「星の王子さま」の物語である。

私が、この「星の王子さま」のセリフで印象に残っているのが、
キツネの

「親密になったことしか知ることはできないよ。人間たちはもう時間がなくなりすぎて、
ほんとうに何も知ることができないでいる。
なにもかもできあがった品を、店で買う。でも友だちを売っている店なんてないから、
人間たちにはもう友だちがいない。」


というところである。

それは現代社会の利潤と効率を求める資本の論理が
グローバル経済化の中でさら加速度的に貫徹され、
地域の共同体および企業内の共同体性も
人的移動の過剰流動性の高まりで、空洞化してきて、
人間関係の希薄化が高まる機能に働いていることである。

「なにもかもできあがった品を、店で買う」というので
ふとチェーンストアの都市部のコンビニを思い出す。
別にコンビニの定員さんと言葉を交わさずともレジに
できあがっている商品を持っていくだけで、清算され売買が終わる。
そこで、そこの定員さんと関係性の履歴を深めることはない。
それが昔ながらの商店街なら
お客さんと定員さんの関係性の履歴が深まり
絆も作られていく。
そのようなことが資本の論理が貫徹されていく、
現代の大手コンビニでは、どうしても、
誰でもできる入れ替え可能な「役割とマニュアル」による労働で、
匿名性の高い
過剰流動性(人と人とのつながりが希薄になりやすい)の社会
を表すような状況である。
このような社会では不安ベースの社会的な相互信頼が
生まれにくくなり、政治的には全体主義的な状況を
生み出すひとつの条件となってくる。

一方、それとは逆の状況のことで言うと、
個人的な私の近況で
ここ2~3ヶ月、西宮市の東鳴尾で勤務しているが、
昼食時に、人通りが少なくなっている商店街に
ふとできた小さなギャラリーカフェに多数通っているが、
小さな店ということもあり、店主との女性の会話が増え、
関係性の履歴が深まっていく。

星の王子さまのキツネのセリフで

「同じ時刻に戻って来ることのほうが大切なんだよ。
例えば、もしきみが夕方の4時に来るなら、僕は3時からうれしくなっている。
時間が経つにつれて、おいらはどんどん幸せになってくる。
4時になったときには、もうそわそわしたり、どきどきしたりおいらは動揺して心配になるんだ。
おいらはこうして幸福の味を知るんだよ!でも、もし君がいつ来るか分からないようだとしたら、
何時に心の準備をすればよいか分からない...習慣にしなくてはいけないんだよ」


とあったが、
同じ時間帯に行くことで、関係の履歴の
少しずつ積み上げることで
記名性(名前がわかったり、あの人と特定の人の
フアンになるような)があり、過剰流動性がなく、安定した
人間関係がつくりやすい信頼ベースの社会の機能を高める
ことに少しでも自分の動きが機能すればと思う。

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