言霊・楽習社(がくしゅうしゃ) ~心豊かに、言葉を生み、人生を潤す~
語源や考えたこと、お気に入りの歌や発想法、雑学など、政治経済社会の時事ネタも書いたりしています。また、楽習社とは私の脳内にある架空の企業です。現実世界での所属組織や職業が変わろうとも、生涯、理系・文系を問わず、古今東西の学問を楽習(がくしゅう)して、生きていきたいので、架空の企業名を勤務先にしています。その会社を退職する時は私の人生が終焉する時です。.

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「イービーのかなわぬ望み」を耳で聞く短編小説NHKラジオ文芸館で聴いて・・・垂直移動のエレベーターで生きてきたイービーの結末から「空間」についてちょっと思う

今日は、2015年(平成27年)6月21日 日曜日

昨日の午前8時05分からNHKラジオの
耳で聞く短編小説ラジオ文芸館を聞いた。

昨日は、芥川賞作家の小川洋子作の「イービーのかなわぬ望み」である。
その簡単なあらすじがラジオ文芸館のHPにあるので、
引用すると

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「イービーのかなわぬ望み」 2015年6月20日
作:小川 洋子

2013年11月16日放送のアンコール。
中華料理店のエレベーターの中で産み落とされ、エレベーターボーイとして成長したイービー。
9歳でエレベーターに閉じこもり、そこで生活をする彼の身体は、箱に納まる大きさのままだった。
そんなイービーに恋心を抱くウェイトレス。2人の気持ちが通じ合うようなった時、
中華料理店が取り壊されることになる。エレベーターでしか生きられないイービーは、
どんな運命を迎えるのか…。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

と、アンコール放送とあるが、私は前回放送の時も聴いていて、
この「イービーのかなわぬ望み」を聴くのは2回目である。

町で一番老舗の中華料理店の福寿楼でエレベーターボーイとして働くイービー。
イービーとは、「エレベーターボーイ」の 頭文字E.Bである。
お客さんも出入り業者も郵便屋さんも
誰も彼の本名は知らず「イービー」と呼んでいるのだ。

ある日ランチの時間が終わろうかとし時、
妊娠した女性が、その中華料理店の料理が食べたくてやってきた。
出産のために精をつけるために、ツバメの巣のスープを飲もうというのだ。
すると、店のエレベーターの中で産気づき、動けなくなり、
エレベーターのビロードのソファーにしがみつき、そこで子どもを産んでしまった。
なんと、その女性は子どもを産んだあと、赤子を残したまま去ってしまった。

その子供をエレベーターで、その子を取り上げた
店の洗い場で働くおばさんが育てた。
イービーを背中におぶって洗い物をしたりしていた。
おばさんは福寿楼の地下で住み込みで働いていたので、
イービーは福寿楼が住まいとなった。

イービーは歩き出せるようになると
エレベーターに強い関心を示し、エレベーターを気に入って、
そこに居続けることになる。

お客の邪魔になるかもしれないと心配されたが、
逆に
エレベーターに男の子がいるということでお客さんにも評判で、
イービーはマスコットボーイ的存在になっていった。

そのおばさんがイービーが9歳の時に亡くなると
イービーは、ずっとエレベーターの中で生きていくこととなり、
イービーとエレベーターは一体化していくような状況になる。
彼は、エレベーターの中で、寝食をするようになり、
まわりもそれが当然と思うようになる。
彼の体格はエレベーターのサイズに合わすかの如く、
9歳の体型のままで成長が止まってしまった。
ただ、その体型で、4階建ての福寿楼のエレベーターの
最上階ボタンの4階を押すにはちょうど適した身長で、
小さい体のため客を圧迫しない。

そして、エレベーターにい続けるイービーは
エレベーターボーイとして働くこととなり、
来る日も来る日も、エレベーターにのる客を案内していた。
老舗の古い建物にあるこのエレベーターは鉄製の扉を手動で
開けなければならなかった。
お客様を安全に運び、エレベーター内を清潔にして、エレベーターを
管理していた。

そんな中華料理店の福寿楼にウエイトレスとして働くある新米の若い女性が
イービーに心を寄せることとなる。
その女性の担当は3階であったが、従業員が勤務中に
エレベーター使用は禁止だったので、エレベーターが開く時ぐらいに
イービーを見かけるぐらいであったが、
ただ、行き先の階のボタンを押すだけなのだが、
客を見て、この客はどの階に行きたいのかを察知して、
押していくという彼の仕事ぶりを見て、プロのエレベーターボーイとして
動くのを感じた。

彼女は、いつかイービーと話せたらと思っていた。
そんなある日、遅番の時、
彼に夜食を運ぶことを頼まれた。
初めて、イービーと言葉を交わすこととなる。

近くで見ると、いかに彼の小ささがエレベーターに
マッチしているのかがわかった。
まるで、エレベーターの部品であるかのように

イービーが
「もし良かったらデザートを半分こしないか」

と言ってきた。彼は半分にしたデザートのシャーベットを
スプーンに乗せ、彼女の口に運ぶと、
彼女はそのシャーベットを口に入れ、瞬く間に
シャーベットが溶けていった。

それから彼女は何かに理由をつけて遅番に入るようになった。
それは、イービーに夜食を入れることができるからだ。

夜食の到着はイービーにとって仕事の終了を告げるので、
イービーは心をゆるして語る状況になる。

イービーは 目立たない イービーの存在に気づかない客もいる。
薄ぼんやりした暗がりのようなエレベーターに溶け込み、
イービーはエレベーターと一体化しているようであった。

イービーは、
「もしこの仕事を引退する時になったら、
エレベーターのテスト塔で暮らしたい。
僕はここから出たことがないからそれはどこにあるかわからない。
草原のようなところにあるかもしれない」

「テスト塔ならお客さん相手にすることもなく
ただ自由に上下移動するだけで、時には早く動いたりするから
おもしろいかもしれない」

という夢を抱く。

どんな時もイービーとそのウエイトレスの若い女性は、
デザートは半分にして食べた。
そんな時は、彼女はどきどきした。

彼女は仕事が終わった後、エレベーターで、
イービーとともに夜食のデザートを食べたり、

デザートを食べた後、イービーにエレベーターを動かして
欲しいと頼んだ。
その時にイービーが自分のためにエレベーターをして
くれているという優越感もあり、また、彼の純粋さを感じ取る
ことができたからだ。

エレベーターが上下する時、
空中に閉じ込められたエレベーターで
2人だけの時間、時に、イービーにつかまったりして、
彼の暖かみを感じる。エレベーターと溶け込んでいる彼を
感じ取ることができず、もし、薄暗いままだったらどうしようと
思ったが、彼の体温を感じることができた。
地上でも屋上でもない、空中に2人きりでいる限り平和で、
それ以上望みがないのだ。

そんなある日、、老舗の中華料理店の福寿楼が老朽化のため
取り壊されることとなる情報が飛び込んできた。

オーナーは、イービーを新しい店舗で洗物をしてもらおうと
ウエイトレスの彼女に伝えたが、彼女はそれに抵抗感を抱く。

福寿楼は取り壊される状況になっても
イービーはエレベーターに残ったまま。
彼女は、イービーをエレベーターから連れ出そうとする。

イービーは「いいんだ。僕はエレベーター以外では生きられない」
彼女は「私がテスト塔に連れて行く」

イービー「僕なんかほおっておいて」
彼女は「なんて悲しいこと言うの。テスト塔のエレベーターが自由に
上下するところで・・・・」

壊されていく建物の中を、彼女は小さな体のイービーを抱きかかえ
逃げて行き、路面電車が走る通りを北へ北へ、テスト塔があるかもしれない
草原は北にあると思ったからだ。

彼女の抱きかかえた9歳児のままの体型のイービーは、
さなぎになる幼虫のように彼女の胸に顔をうずめていた。


イービーがだんだん軽くなっていくのを感じたが、
それまで垂直移動のエレベーターで過ごしてきたイービーにとって
生まれて初めて、
何もかも水平にながれていくことに耐えられず、彼の体は砂時計のように
はらはらと彼女の胸から零れ落ちて消えていった。
そして、彼女の手には、イービーがつけていた育ての親のおばさんのリングが
残っているだけだった。


というストーリーであった。
細かいセリフなどはきちんと覚えていないが、
あらすじはそのようなものである。

自分の存在意義を見出せる場所が、
福寿楼でエレベーターだったイービーにとっては、
そこが無くなることで、自分も消えてしまうということに
なった。

人間は3次元空間の中で生きているが、
水平移動が基本で、垂直方向に動くことは少ない。
建物内で垂直方向に移動するとなると、
階段やエレベーターなど使わないとできない。
その逆であったのがイービーであった。

おおざっぱに粗っぽく言えば、
2次元の平面に
垂直方向が加わって3次元空間となる。

2次元の方向は前後左右。
それに3次元となると、前後左右に、
上下方向が加わる。

たいていの人間は3次元空間の中でも
多くは前後左右に移動することが多いが、
イービーにとっては、上下に移動することが
基本であった。

そのように垂直移動の空間の中で生きてきた
イービーにとっては、
水平移動になると身体が持たなくて砂粒となり
消えていった。
特異な個性を発揮する場が失われ、
その存在そのものが消え去ってしまったのだ。

この物語の結末で、
水平移動と垂直移動のことで
3次元空間のことを思ったが、
この小説「イービーのかなわぬ望み」の作者の
小川洋子氏の作品に映画化された
「博士の愛した数式」があることを思い出した。
それによく参照されるのがオイラーという大数学者
である。

そのオイラーが発見した公式のうちを1つを
使って、物理学での「超ひも理論」で、
空間が9次元になると説明され、
4次元以上の空間は、コンパクトに巻き込まれた
とても、とても、とても、とても、とても、とても微小な
複雑な空間となって、3次元空間のあらゆるところに
あると説明されている。

垂直移動で生きてきたイービーが消え去った先は
そのコンパクト化された
4次元以上の空間なのかとSF的に想像したりする。

この「イービーのかなわぬ望み」は
平成19年(2007年)9月に発売された
「夜明けの縁をさ迷う人々」の
9つの短編小説のひとつとして掲載されている。

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