日本が非核三原則を維持するか、核武装するかはともかく、核武装についての議論はできるようにすべき
自民党の中川政調会長が、 北朝鮮の核実験に対して
日本が核武装するかどうかについて 議論する必要があるという主旨の発言に したことに関して、 反発があるが、 私は日本が核武装するかしないかは別にして 議論はしても良いと考える。
議論をすることで 日本の安全保障環境がどのような状態にあり、 日本は核武装すべきか、すべきでないかについての 認識が深まることにつながると思うからだ。
核武装を支持する意見としては、 北朝鮮だけでなく、中国とロシアは既得権のある 核保有国である。
もし、アメリカの国力が衰退して、アメリカが 日本の安全保障に関与できなくなった時、 中露の核から安全を保障するには 日本は核抑止力を持たざるえないという意見である。
それに対しては、 田中字氏は 自身のメールマガジンの 多極化と日本(1)
日本が核武装するとしたら、その場合の仮想敵は、中国やロシアであるが、いずれも国土が日本よりはるかに広大である。中国と日本が核戦争して互いに5発ずつの核ミサイルを相手に撃ち込んだ場合、中国は、首都圏に3発、関西に2発を落とせば、日本を国家として機能停止させられるが、日本が北京や上海などの主要都市に5発を落としても、無傷の大都市がいくつも残り、中国は国家として生き延びられる。
ロシアとの核戦争の場合、1981年の自衛隊の研究によると、日本では2500万人が死ぬが、ロシアは人口の希薄な極東で100万人が死ぬだけである。国土が狭い日本は、広大な中国やロシアと核戦争しても不利になる。核兵器を持つことが戦争を防ぐことにつながるという「核の抑止力」の考え方は、アメリカとロシアなど、国土の広い国どうしが対峙している時にのみ有効である。だから、日本は自前の核兵器を持つより、アメリカという強くて広大な国の核の傘の下に入っていた方が有効なのだ、という分析が最近、アジアタイムスに出ていた。(
日本が核武装しても中露に比べて国土の狭さゆえに抑止力に ならないという意見を紹介していた。
また、日本が核武装してしまうと 唯一の被爆国で非核三原則をもつという 国際社会におけるソフトパワーが減退してしまう。 日本は核武装せず、世界に経済的に人的に大きく 貢献して、日本を攻撃したら世界が許さないという 外交をしていくべき という意見もある。
一方で、そうなっても、もし、 国際的に地位を得た日本を 屈服させることができたら、 その日本を梃子に世界を振り回すことができると 考え、核保有国は日本を脅してくる。 だから、そうならないためにも 核保有は必要という意見が出てくるかもしれない。
またまた、一方で、 日本が核武装したら、 経済制裁などで日本は経済活動がまわらなくなる という見方もあるが、世界第2位の経済大国と 世界は手を切ることはできないので、 経済制裁はできないという見方もある。
そのように 核武装をするかしないかの議論をすることで 日本が置かれた状況が見え、 日本国民がそれを認識することになると 思うので、 ただ、観念的に核武装論や非核三原則を 言うよりは、現実的な振舞い方をどうするかに ついてのマシな世論が形成されると思う。
スポンサーサイト
テーマ:北朝鮮核実験実施 - ジャンル:政治・経済
|