言霊・楽習社(がくしゅうしゃ) ~心豊かに、言葉を生み、人生を潤す~
語源や考えたこと、お気に入りの歌や発想法、雑学など、政治経済社会の時事ネタも書いたりしています。また、楽習社とは私の脳内にある架空の企業です。現実世界での所属組織や職業が変わろうとも、生涯、理系・文系を問わず、古今東西の学問を楽習(がくしゅう)して、生きていきたいので、架空の企業名を勤務先にしています。その会社を退職する時は私の人生が終焉する時です。.

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ロバのサイン会・・・消費され消え行くものに過ぎないものが育む絆・・・耳で聞く短編小説NHKラジオ文芸館を聴いて・・・

今日は、2014年(平成26年)12月7日 日曜日

昨日の午前8時5分から、
NHKラジオの「耳で聞く短編小説ラジオ文芸館」を聴いた。

昨日の小説は、吉野万理子さんの作品である「ロバのサイン会」であった。
ラジオ文芸館のそれのあらすじについては次のように書かれている。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

主人公はテレビ局の企画で全国を旅し人気者となったロバの「ウサウマ」。
「ウサウマ」の写真集発売を記念したサイン会が開催されることになり、
彼がそこで耳にしたのは、一緒に旅をしたアシスタントディレクターの
「山田ちゃん」が心の病気にかかっているという話だった。
矢も盾もたまらず「山田ちゃん」のもとに駆けつけようとする「ウサウマ」
だったが、書店の店員「沢村」に止められる。果たして「ウサウマ」は
「山田ちゃん」と再会できるのか…?
一緒に旅したパートナーの身を案じるやさしいロバと、
彼と心を通わす人々の姿をロバの目線で描いた作品。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

このロバの「ウサウマ」は、人間が話している内容を理解できるロバである。
ただ、人間はそのロバが人間の話を理解できているとは全く想定していない。
ウサウマのまわりにいる人間達は、ウサウマについて語るとき、
ウサウマに向かって語りかけることはないが、
唯一ウサウマに向かって語りかけてくれる人間であったのが
一緒に旅をしたアシスタントディレクターの
「山田ちゃん」(女性)であった。

テレビ局の企画で全国を旅し人気者となったロバの「ウサウマ」の
写真集が発売し、また、その第2弾のセカンドシーズンの
全国旅の企画があったが、
ある日、書店で「ウサウマ」の写真集発売を記念したサイン会が開催された時、
その休憩中、
書店の店員「沢村」と写真集の出版元の編集者の小林との会話をウサウマが
耳にした。
すると、小林によると、
第2弾のセカンドシーズンがテレビ局の判断で中止になったというのだ。
写真集はファーストシーズンのセカンドシーズンの間が6ヶ月あるので、
話題性を継続させるため写真集を出すことになっていたのだが、
その中止の理由は、アシスタントディレクターの「山田ちゃん」の
心身に変調をきたしてしまったからである。
山田ちゃんは椎間板ヘルニアが、
ファーストシーズンで車の運転をぶっとうしてでしていたことで
悪化し、新宿区のどこかの病院に入院していた。
そして、山田ちゃんは精神的な不安定になってしまい心の病気が
深刻になっているという。

小林も山田ちゃんの様子がおかしいと
ファーストシーズンの最終回の2回前の番組で思うシーンがあった。
そのシーンとは、神奈川県三浦半島を訪問したとき、
三浦大根を手入れしていたおばちゃんに、山田ちゃんが
「うちの息子のお嫁に来て欲しい」と言われたときに、
山田ちゃんが「ほんとにおばちゃんのうちの子になりたい」
といいながら急に号泣した。それを見て小林は山田ちゃんの様子がおかしいと
感じていた。

山田ちゃんの心身の不調によりウサウマの旅企画の
セカンドシーズンが中止となった。

小林は
「セカンドシーズンをやらないと発表されたら、ウサウマは
旬の過ぎたただのロバですからね。写真集なんて売れるわけないですよ」とつぶやく。

書店屋上で行われていた撮影会(サイン会)が終了した直後、
ウサウマの周りに誰もいなくなる時があった。
その時、ウサウマは、新宿の病院に入院している山田ちゃんに会いに行く
最後のチャンスだと思った。
サイン会に来ていたお客さんが乗降していた階段を目指して
ウサウマが歩き始めた。
屋上にはエレベーターで来たが、エレベーターは自分では操作できないので、
階段なら降りることはできる。そのようにウサウマは考えたが、
いざ階段に行くと、ウサウマがイメージしていた階段と違っていた。
ウサウマは、公園にあるような広い石段の階段をイメージしていたが、
その本屋の階段の幅が狭く、踏み外すと転げ落ちてしまうと感じて、
足をすくめてしまった。
「でも、いくしかない」とウサウマが考えたとき

「おい」と後ろから声が聞こえた。それは書店の店員の沢村の声であった。

沢村はウサウマに向かって
「もしかして、おまえ、どこかに行こうとしているのか」と言った。
するとウサウマは、大きく首を縦に振って、コクリとうなずいた。

沢村「おまえ俺の言っていることがわかるのだな」

ウサウマはそれにもコクリコクリとうなずく。

沢村「もしかして、ADの山田に会いに行こうとしているのか」

ウサウマはコクコクとうなずく。

しかし、沢村は、新宿のどこの病院に山田ちゃんが入院しているかわからず
無理だと言う。

ふと、沢村がこうつぶやく

「本屋もむなしいものだ。俺は消費されるものがきらいだった。」

沢村の親父は農家で、どんなに精魂をこめて農作物をつくっても
あっというまに消費され、なくなってしまい、売れなかったら腐ってしまう。
本なら腐らず、あっというまに消費されず、名作の本となれば何十年の残っている。
しかし、ウサウマのセカンドシーズンの企画がなくなり、ウサウマも一時の流行ものに
なってしまうという現実をつきつけられると、本だって消費物で
セカンドシーズンが中止されれば、ウサウマの写真集だって腐ってしまう。

ウサウマはそう聞いて、こう思った。

本だけや食べ物だけでなく、人間も消費されてしまう。
病気になってしまったAD山田ちゃんの回復も誰も待ってくれない、
新しい番組が生まれ、新しいアイドルが出てくる。みんな山田ちゃんのことは
忘れてしまう。

ウサウマは
「やっぱり行かなくては」と階段を一歩踏み出した。

ウサウマは、階段をころげおちて、骨折する自分の姿が目に浮かぶ。
そう考えながらウサウマは
「それでもいいじゃないか、殺処分されて自分がこの世からいなくなるだけ」
と思った時、
沢村が「待ってくれ、お前が住む牧場が決まったら、きっと会いに行く。
退院したら、AD山田という子を連れて行くから。制作会社を調べればわかるので、
この階段を降りるのはやめてくれ」

ウサウマは階段を下りるのを思いとどまった。

その後、ウサウマは牧場にすごすことになったが、
沢村はなかなかこず、山田ちゃんも現れることはなく、
ただただ干草を食べる日々が過ぎる。

夏が過ぎ、秋になり、雪が舞う冬になり、
ウサウマは、いつまでここで過ごすのか、山田ちゃんは退院できたのだろうか
そんなことを考えたりしていた。

するとある日、ついに沢村が牧場にウサウマを迎えに来てくれた。

沢村「行こう。山田ちゃんが待っているから」

沢村が運転するトラックにウサウマは乗り込む。

トラックに乗り込んだウサウマに沢村が
「これから行くところは1回、君がいったことがある場所だ。すぐに思い出す。
山田ちゃんは今そこに住んでいる」
と告げる。

沢村から山田ちゃんがADの仕事を辞めていることを聞かされた。
そして、山田ちゃんはまだまだ情緒不安定でポロポロ涙を流して泣くことがあり
医師から、誰かがよりそってあげることが重要と言われたが、
山田ちゃんは身内がなくひとりぼっちなので、沢村の家で引き取ることになった。
沢村の母も山田ちゃんのことを気に入っているという。ただまだ結婚はしていない。

そのようなことをウサウマは聞かされた。

そして、トラックは出発し、高速道路を移動しつつ、ウサウマは眠ってしまう。
ウサウマは目を覚ますが、山田ちゃんは本が好きなので、本屋にいるのではないかと
ウサウマは思っていたが、目が覚めると本屋がある都会のような喧騒さがなく
静かであった。

沢村から到着を告げられ、トラックの後部が開くと、ウサウマは知っているところだと感じた。

土の香り、ミミズの匂い、はるか遠くに海鳴りの音

そうウサウマが感じていると、

「ウサウマく~ん」と言いながら山田ちゃんが駆け寄ってくるのを感じた。
「会いたかった」と山田ちゃんはウサウマの背後から首に抱きついたので、
山田ちゃんの姿がすぐに視界に入ってこず、その代わりにウサウマの視界に入ったのは
おばちゃんであった。

ウサウマはそのおばちゃんに見覚えがあった。
そのおばちゃんとは、山田ちゃんに息子の嫁になって欲しいと言ったおばちゃんである。

そして、そのおばちゃんは沢村の母であった。
そう、到着した場所は、沢村の実家であった。

沢村は東京のマンションを売り払って、三浦半島から毎日2時間かけて、
東京に出勤しているという。

山田ちゃんがウサウマに

「ウサウマくん。サインして、本当はサイン会に行きたかった。ここでサイン会ね」

山田ちゃんが、ウサウマの写真集を持ってきて、山田ちゃんは
ウサウマが蹄(ひづめ)に墨汁を塗ってサインの練習をしていたことを知っていた。

ウサウマは山田ちゃんが用意した墨汁に足を浸し、写真集の余白に足を運び、
サインしたところ墨汁が多すぎて、写真集が黒ずんでしまって大失敗だった。

すると、山田ちゃんは

「ごめんねウサウマくん。沢村さんごめんね。せっかく本屋さんで買ってきてくれたのに」

と言いながら、ポロっと涙をこぼした。

ウサウマが、こんなことで泣くことないよと思うと同時に
沢村が山田ちゃんの肩をそっと両手で包んだ。

沢村
「大丈夫。この本は十分役割を果たしてくれたよ。山田ちゃんとウサウマと俺。写真集が
なかったら出会わなかった。」

そう言うと、ウサウマは

「食べ物だって、本だって消費されていく。でも消えるその瞬間にちかちかと星みたいに
幸せを振りまくことがあるんだよ。ぼくだっていつかは消える。けどその前に、
山田ちゃんと沢村をくっつけることができたら、これからも一緒にすごせたら、ほんとに
ほんとに素敵だ。」


そうウサウマは思う間に、沢村と山田ちゃんがくっていていてキスをしていた。


というのが、この「ロバのサイン会」の結末であるが、
ロバの視線を通じて描かれたこの作品、

ただ消費され消え行くものに過ぎないものが
誰かと誰かをつなぎ、絆を育む役割をはたして幸せをもたらす

そのようなことが印象に残った作品であった。

今回のラジオ文芸館で「ロバのサイン会」が、
NHKの佐藤克樹アナウンサーによって朗読されたが、

その放送を前に、ロバのサイン会の著者である吉野万理子さんの
ブログに次のように書かれていた。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ドラマデイズ (吉野万理子BLOG) 
NHKラジオ文芸館 『ロバのサイン会』(2014年12月2日)


ちなみに、この番組の依頼の電話、出版社からじゃなくてNHKから直接
かかってきたのですが、しゃべってる方が、
なんだかとてもすがすがしい声だなぁ、朗々と話されるなぁ、
と思ってたら、なんとアナウンサーさんご本人でした!
交渉、直接なさるんですねぇ、びっくり。
そんな佐藤アナが、どんなふうに朗読してくれるのか、楽しみです~。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

と、このところほぼ毎週、私はラジオ文芸館を聴いているが、
朗読するアナウンサーが直接、著者に交渉しているとは知らず
「へえ~」と驚いた。


YouTube 吉野万理子「ロバのサイン会」 NHKラジオ文芸館放送分
https://www.youtube.com/watch?v=RVu-Ra5RKJs


吉野万理子「ロバのサイン会」が収録されている本です。



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