ウィニー作成者無罪確定・・・47氏の慧眼をつぶした日本、スイスでは非正規ダウンロードでも合法へ
今日は、2011年(平成23年)12月21日 水曜日
ファイル交換ソフト「ウィニー」を開発、公開し、違法コピーを やりやすくしたとして著作権法違反ほう助罪に問われた元東大助手金子勇氏に 対して、最高裁が無罪判決を出した。
無罪は当然だと思いつつ、 京都府警の不当捜査のためにどれだけ 日本のITの発展を邪魔したかという批判が強くある。
2ちゃんねるの創設者であった 西村ひろゆき氏は
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@hiroyuki_ni Hiroyuki Nishimura 当時のwinnyは技術的にも世界トップレベルだったのに、skypeなどp2p技術は国外が主流になっちゃいました。産業を潰した責任は誰も取らないんでしょうね。>「ウィニー」開発者、無罪確定 http://s.nikkei.com/v1ZBDa http://twitter.com/#%21/hiroyuki_ni/status/149062977830649856 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
と、批判している。
このウィニー作成者の刑事事件化によって、 日本のP2P開発の停滞を招き、海外に先を行かれることとなった。
もし、1990年代前半に、インターネットを閲覧するブラウザやダウンロード機能が 著作権法違反のほう助にあたるとして、開発を禁止されていたら、 今の世界のIT業界の発展はなかっただろうし、それによる雇用もなく、 経済の発展のチャンスを潰していただろう。
そのような愚行を日本の警察・検察はやってしまったのだ。
そして、検察が金子氏が著作権侵害ほう助の意図があったとした根拠として、
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個人的な意見ですけど、P2P技術が出てきたことで著作権などの 従来の概念が既に崩れはじめている時代に突入しているのだと思います。
お上の圧力で規制するというのも一つの手ですが、技術的に可能であれば 誰かがこの壁に穴あけてしまって後ろに戻れなくなるはず。 最終的には崩れるだけで、将来的には今とは別の著作権の概念が 必要になると思います。
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という2ちゃんねる上でのコメントを採用しているが、 これは、まさに、時代を先読みした47氏(金子氏)の慧眼であり、 P2P時代に即したビジネスモデルの設計や 著作権制度の設計をするべきであったのだ。
このほど、スイスで
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スイス政府の決断、非正規ダウンロードでも合法 (財経新聞 2011年12月6日11時00分)
スイスでは 3 人に 1 人がインターネット経由で音楽や映画、ゲームなどを 非正規にダウンロードしているという。著作権を保有する側からすれば大き な損失に繋がることから非正規ダウンロードを違法として取り締まるよう訴 えてきた。これに伴いスイス政府は 15 歳以上の国民を対象に調査を行った。 その結果、違法ダウンロードした分の余剰金はエンターテイメントの他の用 途にあてられているため、海賊行為が横行している現状であっても必ずしも エンターテイメント業界が損失を被っている訳ではないとの結論を出したと のこと。
報告書には「これまで記録メディアに新たな技術が誕生する度、都度『不正 使用』されてきた。これは進歩に対して支払う対価なのである。新技術をアド バンテージとして活かせる人が勝者となり、この進歩に取り残されて旧来の ビジネスモデルに従い続ける人は敗者となる」と記述されているとのこと。 スイス政府は、ダウンロードが同国文化の創造において負の影響を及ぼしたと いうことが証明されなかったことから法律を変える必要がないと決断。
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ということだ。 新しいメディア技術による不正使用はつきもので、それは必要なコストで 新しいメディア技術による環境変化による利得がコスト以上になるという ことだ。
スイス政府は合理的な判断をしているなあと思いつつ、 日本の警察と検察とその法のそのままにしている日本政府が 新しい技術の芽をつぶし、日本の経済の発展と新しい雇用の可能性を 潰してしまったことを猛省してもらいたい。
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